見開きで1生物をイラストとともに紹介するパターンは同じなのだが、いちいち文章にオチをつけようという努力が空回りしている感が否めない。下ネタや芸能ネタだから悪い、という訳ではないが、その生物に対する『驚き』や『おもしろがり』と関係ない所でオチを付けられて興醒めしてしまうだけだ。
あー、なんと、これ、筆者も出版社も違うではないか。ビビットな単色の表紙、グレースケールのイラスト、スミで明朝のタイトル。帯までそっくりだが、「へんないきもの」とは違うシリーズだったのだ。
この筆者は「へんな古代生物」の前に「毒のいきもの」という本を出している。「インスパイアードさん」なのだろう。それにしても「へんな古代生物」の装丁に至っては、もはや『擬態』である。「へんないきもの」以降に出版された「柳の下」本の中でも傑出したそっくりさ加減だ。
ただし、一度、見破ってしまうと、『擬態』には滑稽さがある。懸命に蛇の真似をする蛾の幼虫とか、枝の振りをし続けるナナフシとかの映像を見るときに感じる「バレてるって」と言いたくなるあの感じだ。
そんな訳で、是とも、書店でその擬態ぶりをウォッチしてしてもらいたい一冊(購入は自己責任でどうぞ)。